「日本硝子工業史」などの文献によると、和泉国(現在の堺市付近)では古くよりガラス玉が作られ「泉州玉」「さかとんぼ」と呼ばれ有名でした。
その由来をたずねると、奈良時代以前に遡ります。明治初期には、製造技術が確立され池上村(現在の和泉市付近)は、ガラスの製造地として発展。
昭和になり、その技術・技法を受け継ぐガラス玉専業職人は山月工房の先代、故小溝時春ただ一人となり、山月工房では泉州地方独自の技法で製造した様々なガラス玉を「和泉蜻蛉玉」と名付け歴史保存活動をはじめました。
現在は、先代の長女、松田有利子が後継者となり和泉蜻蛉玉の製造をはじめ国宝のガラス玉復元作業・国宝ガラス研究・和泉の国で育まれてきたガラス研究に着手しています。
- 山月工房で使用するガラス原材料は、国宝復元材料をベースにした独自のガラス材料です。
- 和泉蜻蛉玉は山月工房の登録商標です。
- 和泉蜻蛉玉に関わる歴史、伝統、技法、材料などの調査は、山月工房が長年にわたり行い、府審議委員会を経て正式に認められたものです。
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大阪府伝統工芸士とは
大阪府が定めた認定要件を満たしている者が大阪府伝統工芸士として認定を受ける事ができます。 二代目松田有利子は、大阪府伝統工芸士第85号認定を受けています。
和泉蜻蛉玉伝統工芸士
松田有利子(大阪府伝統工芸士第85号)
松田純一 (大阪府伝統工芸士第115号)
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大阪の伝統工芸品の証
昭和60年4月1日に施行された「大阪府伝統工芸品の指定に関する要綱」に基き、大阪府知事が指定するものです。 和泉蜻蛉玉は、大阪の伝統工芸品の認定をいただき、商品にマークが付いています。
創業者 先代 小溝時春
2004年5月に逝去する間際まで、工房に通い続け和泉蜻蛉玉制作に打ち込んでいました。
激動の昭和、様々な苦難を乗り越え、この道一筋に邁進してきた証として2002年に大阪府の伝統工芸品に認定いただき、2003年には大阪府伝統工芸士の称号を頂戴することができたことを大変喜んでおりました。
経歴
- 1945年 終戦後11歳より家計を支える為、ガラス業に従事
叔父より硝子玉の技術を習得し工房(後の山月工房)を設ける
泉州(和泉国)地方の硝子玉全般を熟知・製作できる専業職人 最後の一人となり、歴史保存活動を始めるため泉州地方の硝子玉を「和泉蜻蛉玉」と名づけイベントなどに参加 - 2002年 「和泉蜻蛉玉」として大阪府知事指定に指定
- 2003年 大阪府伝統工芸士 第78号 称号を授与
- 2004年 永眠
二代目 松田有利子
二代目松田有利子は、幼少時より父親の制作するガラス玉に魅せられ毎日工場に通う。
父 小溝時春が泉州(和泉国)地方独自の技法を使用した専業職人最後の一人となり父とともに歴史保存活動を始める。泉州地方独自の技法で制作したガラス玉を「和泉蜻蛉玉」名称し活動。
2002年に「和泉蜻蛉玉」大阪府知事指定 伝統工芸品に認定される。
経歴
- 2002年 大阪府伝統工芸後継者作品展、大阪府知事賞
- 2004年 先代(父/小溝時春)逝去後 、山月工房二代目代表に就任
- 2005年 大阪府伝統工芸士 第85号 称号授与
- 2010年 平等院(京都)国宝ガラス玉復元(平安時代の阿弥陀如来坐像 瓔珞のガラス玉)
- 2011年 大光明寺(東京)青龍弁才天 お前立ち像(江戸時代の模刻)宝冠ガラス玉制作
- 2016年 失われつつある国宝復元ガラス材料の研究を始める
- 2018年02月 大阪工芸功労者表彰
- 2018年11月 大阪府優秀技能者表彰(なにわの名工)
- 2023年3月 越前市 総社大神宮 神輿修復で鬼板の目修復(国庫事業・久保智康先生監修)
工房
〒594-0065大阪府和泉市観音寺町862-5
TEL.0725-46-2670
FAX.0725-38-2670
工房では販売は行なっておりません。
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